その暴走を止める者
―俺様の「美技」に酔いな?―
氷帝学園テニス部マネージャー、。
頭もそれなりに良く、容姿も結構良かったりする。
ただ一つの欠点それは。
「あぁ〜〜。は今日忙しくて一緒に昼は食えねぇんだよ。すっげぇ寂し」
そう。この口の悪さ。見た目を完璧に裏切る口調。
実はテニスもできたり、男子にも多少もてたりしてるが本人は自覚なし。
というか、男子になど全く興味がないといったご様子だ。
とりあえず今は「ある人物」で遊んで楽しむのに日々を捧げている。
ここは氷帝学園の屋上。
ただ今お昼休みでテニス部の数人で昼休みにお弁当を食べていた。
今日は昼に跡部からテニス部数人が集合命令がかかっていた。
しかし当の本人は「お前らで来週の練習試合の話し合いしとけ」と言い残し
去っていってしまった。
「しっかし、跡部のあの性格なんとかしよろよ忍ちゃん。
自分から集合命令しといて、普通フケるか?何様だよ!」
「そりゃ、あいつは『何様、俺様、跡部様』やからな。直らへんやろ」
「だよな。まっ、あれでも俺たちの部長だし、俺たちがとやかく言う権利はないけど」
、忍足、続いて岳人が意見を述べる。
あんな性格でも一応テニスはかなり上手いし、部長だ。
跡部にはむかう、しかも女子は学園中探してもいないだろう。
しかしは別格だ。平気で跡部にはむかく+悪態づく。
こんなだが、部ではしっかりとマネージャーの仕事をしている。
その証拠に今日もちゃんと集合命令に従っていた。
「そう言えばさ。跡部って試合中に技が決まるとなんか言ってるよな。あれ、なんだっけ?」
が言っているのは跡部の口癖「俺様の美技に酔いな」の事だ。
何かにつけて「俺様の〜に酔いな」が口癖な跡部。
それに酔っている女子生徒も多数。
「あぁ、あれやろ。『俺様のび・・・』」
「そうそう!『俺様の
ビキニ
に酔いな』だ。なんでテニス中にビキニなんだ?
意味不明だよな〜。あいつってビキニなのか?」
そのの一言にそこに居る氷帝テニス部メンバーは凍りついた。
忍足は「美技に」と言おうとしたのに、それを「ビキニ」とさえぎった。
『俺様のビキニに酔いな』。はたして
どういう意味で「酔え」と言っているのやら。
トランクス、ブリーフ、そしてビキニ。
は跡部の事をすっかり「ビキニ派」に分別してしまった。
あわれ跡部よ。
「意味不明だよな」というの思考こそ「意味不明」に値していると氷帝メンバーは思った。
しかし・・・ここで忍足のメガネがキランッと光った。
「はどう思うんや?」
「あたしは跡部の性格的にいくとビキニ派だと思うけど、どうだ?忍ちゃんは知ってんのか?」
「いや。俺は知らんな。なんやったらの友達にも聞いてみたらどうや?」
「だな。昼休みが終わる前ににも聞いてみる。んじゃ、そろそろ行くわ。じゃ〜な」
が去った屋上では忍足以外の氷帝メンバーは額に冷や汗を浮かべていた。
やばい。かなりやばい。跡部のビキニ疑惑を作ってしまった。
しかも作った張本人は悠々とお弁当を食べている。
「おい!どうするんだよ!なんっつー誤解招いてんだ!」
「そうですよ、忍足先輩!これが跡部部長にばれたらどうするんですか?」
「お、俺は知らねぇぞ・・・」
「ふぁ〜〜。俺は寝てるから予鈴なったら起こして〜」
上から岳人、長太郎、宍戸、慈郎。
やばいやばいと騒ぐ男3人とすでに眠りに入りかけている男1人。
忍足はこれから学校中に周る噂をすでに予測しているように
のんびりと青空の下で食事中であった。
場所は変わって、ここは生徒会。
仕事がひと段落ついて生徒会室でお弁当を食べていたは
廊下から聞こえてくる足音だけでそれが誰かが分かった。
「お〜い、!!!」
「・・・・・廊下をフルスピードで走ってこない」
「
跡部ってビキニなのか!?」
「ぶっ!!!」
さん、お茶をふきだす寸前。
そりゃ、部屋に入ってきていきなり「あいつってビキニなのか」なんて聞かれると
誰でもふきだすだろう。
むせ込む、興味しんしんの。
「・・・・・・なんでいきなり跡部くんがビキニか聞くのよ」
「だって、忍ちゃんも知らねぇみたいだし。でもあいつ自称ビキニだし。
んで、友達に聞いてみろって言われたからに聞いてみたんだけど、はどう思う?」
「私が知るわけないじゃない・・・・・他に聞いてみたら?」
「おう!そうしてみる。んじゃな!」
そういい残すとはまた一目散に走り去っていった。
その後、は自分のクラスに戻りみんなに聞いてまわった。
そして数日後には、あらぬ噂が学校中にたった。
『跡部はビキニだ』
喜ぶ者あり、悲しむ者あり、妄想をふくらまし萌えている者あり。
そんな噂を知らないのは当の本人だけ。
恐るべし跡部のビキニ説。果てはファンクラブに男子まで入ったという噂も!?
ある日、廊下を歩いていた跡部はある事に気付いた。
自分の周りがやたらヒソヒソと小声で喋っている。
最初のうちは、いつものように女子が自分を見て
「かっこいいvv」など言っているのだと思っていたが
なにか違う。明らかに違う。
しかし自分は何か噂をされるような事をした覚えは全くないので
さらに混乱が増す。
教室に入ると、そこには真剣な顔をして悩んでいるがいた。
その姿に跡部は少し引いてしまった。
いつもはうるさいくらいのハイテンションでつっかかってくるが
今日は跡部の存在にも気付かない様子だ。
しかも深刻な顔で悩んでいる。
まさに天変地異の前触れだ。
「お、おい。何をそんな真剣に悩んでるんだ・・・・・」
恐る恐る声をかけたが、のテンションが上がる気配は全くない。
それどころか、真っ直ぐ跡部を見つめてくるではないか。
「跡部。あたしはこの数日間ずっと考えてたんだ。もう、考えすぎて頭が破裂するかと思ったぜ。
だけど、やっぱり答えはこれしかねえんだ・・・・・!これしかありえねぇんだよ!」
「なんだよ・・・」
「跡部!
お前はやっぱりビキニなんだ!!
」
「・・・・・・・・はぁぁ!?」
あまりの突然の発言に跡部様硬直。
ま、いきなり「お前はビキニだ」と言われた日にはこれが当然の反応でしょう。
しかもクラスのみんながそっちに注目してます。
跡部はもう呆然とする意外どうしようもない。
「お前の性格、態度、そして発言!すべてがこの結果につながってんだよ!
お前、テニスのプレイ中に『俺様のビキニ酔いな』って言ってるじゃねぇか!!!
このアホ部が!!テニス中にお前のビキニを想像して酔えとでも言うのか!?」
「
・・・・・アホはてめぇだぁぁぁぁぁぁ!!
」
あまりの怒りに跡部は手元の教科書を丸めての頭をスパーンといい音をたてて殴った。
おっと。跡部さん額に血管が浮かんでますよ。
「なんであたしがアホなんだよ!!てめぇのビキニなんか酔えるか!!
っつ〜か、別の意味で酔う!跡部のビキニ姿なんか想像するだけでゲロゲロだぜ!!」
「そんなもん想像するな!!誰が『俺様のビキニに酔いな』なんて言ってんだ!!」
「自分で言っといてなにボケてんだよ!思いっきり言ってんじゃねぇか!」
「俺は『俺様の美技に酔いな』っつてんだよ!ビキニなんて一言も言ってねえ!」
「どっちも一緒のようなもんだ!!」
「一緒じゃねえし、一緒にすんな!!」
ギャーギャーわめき合う2人。
それを見て「やっぱり跡部様はトランクスよね♪」と言っている女子あれば
「えぇ〜ビキニの方が似合ってるわよ〜」と言う女子もあり。
そして教室の入り口際でくすくすと笑う
メガネ青年がいるという事に今の2人は気づくことはなかった。
〜後書きと言う名の懺悔室〜
え〜っと、これは私が最初跡部の「俺様の美技に酔いな」を読んだ時に
「俺様のびぎに」じゃなくて「びきに酔いな」と読んでたんですよ。
それが発展して「俺様のビキニに酔いな」になったのです。(発展するな)
あわれ跡部様。私の中での跡部は結構やられキャラなのです。好きなんだけどなぁ。
跡部の『俺様のビキニに酔いな編』でした!(違う)